丸ビルを裂いたX字の亀裂
どんな伝承か
丸の内へ入った著者が東京駅前で目を疑ったのは丸ビルだった。壁面にX字の形をした亀裂がびっしりと走り、今にも崩れ落ちそうに見えた。九階の精養軒で昼食をとっていた者たちの話では、建物が高いほど揺れは激しく、棚に並んだビール瓶や酒瓶がヒュッと音を立ててテーブルまで飛んできたという。天地が滅びるのかと思ったと彼らは語った。ビルの前の通りには幅三メートルほどの地割れが延々と続き、自動車では越えられず、著者は堀端づたいに大きく回り道をするほかなかった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
私の心霊術(長田幹彦・昭和中期(1940年代~1950年代推定))
幼少期の地獄極楽のぞきからくり(私の心霊術)/心霊術と降霊の実演/作家長田幹彦の心霊体験/交霊と幽霊との接触/明治〜昭和の心霊文化