死人の出る前に家に現れるシルマシ
どんな伝承か
『遠野物語』には、村の中で誰かが死ぬときには、その前にある家にシルマシが現れるという話も伝わっている。遠野の物語では、死者が生者のあいだにごく自然に姿を見せ、生者もまた死者と共にあり続けると語られる。
原典より
また、二百六十六話は、「村中に死ぬ人がある時は、豫め此家にシルマシがある」という話を伝えている。—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)
『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が書きおろした日本文学の幽霊論で、刊行は日貿出版社が手がけた。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『日本霊異記』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じ、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。