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押切りに斃れたお園と新五郎

所在地東京都台東区
年代安永期・十一月二十日
登場深見新五郎、お園、下総屋惣兵衛、質屋の主
出典日本の幽霊たち ― 怨念の系譜

どんな伝承か

『真景累ヶ淵』で、深見家が改易された後の話。新左衛門の長男新五郎は谷中七面前の質屋下総屋に奉公し、そこの女中お園に激しく恋をする。だがお園は、因果なことに父が殺した宗悦の次女であった。お園は新五郎が近寄るだけで身の毛がよだつほど嫌ったが、ある日物置で思いを遂げようとした新五郎に、壁土に混ぜる藁を刻む押切りの上へ押し倒され、苦しみ抜いて死んだ。逃げ続けた新五郎は三年後の十一月二十日、塀を越えて飛び降りた先にあった押切りで足を深く切って捕らえられる。その日はお園の祥月命日で、新五郎は因縁の恐ろしさを思い知った。

原典より

ある日、物置の中で思いをとげようとした新五郎に、すさ(壁土にまぜて、つなぎとして塗りこめる藁や麻など)を切る押切りの上に押したおされ、お園は七転八倒の苦しみ。—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)

『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が書きおろした日本文学の幽霊論で、刊行は日貿出版社が手がけた。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『日本霊異記』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じ、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。

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