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新墓の前に残る牡丹の燈籠

所在地東京都台東区
年代盆の頃・七日目
登場萩原新三郎、お露、伴蔵、お米、白雲堂勇齋、飯島平左衛門、お露の女中・幽霊、人相見、旗本・お露の父
出典日本の幽霊たち ― 怨念の系譜

どんな伝承か

『怪談牡丹燈籠』で、新三郎のもとへ通う女たちの正体が知れる場面。新三郎の長屋に住む伴蔵がのぞくと、女は痩せて骨と皮ばかり、裾が見えず腰から上だけの、絵に描いた幽霊そのものの姿だった。人相見の白雲堂に、毎晩来るのは幽霊だと告げられた新三郎は、お露が女中と暮らしていると聞いた谷中の三崎村を尋ね歩くが、誰も知らない。帰りに新幡随院を抜けると、堂の裏の新しい墓に、毎晩お米が提げてきた牡丹の燈籠が雨ざらしになっていた。寺で尋ねると、牛込の旗本飯島平左衛門の娘と、看病疲れで後を追った女中の墓だという。

原典より

事実、ハツの鐘がボーンと不忍の池に響いて聞え、水の流れもとまり、草木も眠るころ、あらわれいるのはお露・お米の二人の幽霊たちであった。—— 日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の幽霊たち ― 怨念の系譜(阿部正路)

『日本の幽霊たち――怨念の系譜』は、阿部正路が書きおろした日本文学の幽霊論で、刊行は日貿出版社が手がけた。『竹取物語』『源氏物語』『平家物語』などの物語、『日本霊異記』から『遠野物語』『聴耳草紙』に至る説話、能と歌舞伎、さらに三遊亭円朝・泉鏡花・森鴎外・小泉八雲らの近代の作品に現れる幽霊をたどり、怨念の系譜として読み解く。第一章で幽霊の時・季節・姿・場・目的を論じ、終章で稲生屋敷の物怪や百鬼夜行など幽霊の周辺に及ぶ。

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