栗本淑子の千里眼
どんな伝承か
『心理時報』に門脇鼎が掲げた千里眼可能者の名簿には二十八人が並んでいる。その三番目が栗本淑子(二十)で、住所は兵庫県須磨の武井右衛門方、動機は「千鶴子を模倣す」と記される。名簿の動機欄は、催眠中に千里眼可能の暗示を受けた者、御船千鶴子や長尾郁子を模倣した者、信仰から自得した者などに分かれており、住所と年齢を添えて列記されている。当時いかに多くの霊能者が各地に現れたかを、この一覧はよく示している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・1919年(大正8年))
『心霊哲学の現状』は、高橋五郎が大正八年に著した心霊研究の概説書である。英国のロッジが戦死した子レイモンドの霊と交わした冥界通信をはじめ、欧米の交霊術と霊媒の実例を訳して紹介し、日本の催眠術と千里眼の流行、御船千鶴子・長尾郁子の事件、霊光や念写までを論じる。篇と章に分け、心霊哲学とキリスト教、クリスチャン・サイエンス、淘宮術との関係や、太霊道など国内の霊術諸派も取り上げ、ところどころに評註を添える。