恋敵ら五人を五寸釘で呪った女
どんな伝承か
秋田署土崎警部派出所は、秋田市金足片田の農業堀キヨノ(四二)を、迷信による強迫容疑で書類送検した。発端は六月八日、秋田市役所の小使堀英蔵(四〇)が、片田部落の太平山神社裏の松の下で、同部落の農業斎藤松蔵(六〇)と妻子ら四人、稲荷林部落の農業伊藤シオ(五三)の計五人の氏名年齢を書いた紙五枚に五寸釘が打ち込まれているのを見つけたことである。翌朝、甚一が現場へ行くとキヨノが狂ったように祈っており、止めようとすると家に放火してやると脅した。キヨノは一九年前から松蔵と関係があり、冷たくなったのは伊藤シオのせいだと邪推していた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。