信仰を強いる姑を絞め殺した嫁
どんな伝承か
ある会の信仰を強いる姑と、これに反対する夫との板ばさみに悩んだ嫁が、ついに姑を絞殺した仙台市大野田の尊属殺人事件が、昭和三三年一月に起きた。著者はこれを、殺人教として事件化したものの一例としてあげている。同じころには、オシラ神のお告げを信じて息子夫婦を殺傷した青森県東津軽郡の事件、疫痢の子の手あてを拒んで死亡させた群馬県多野郡の事件、娘に汚れた空気を吸わせまいと絞殺した京都の和楽事件、女祈禱師が神託によって農薬を信者の口から注いで殺した大阪府南河内郡のホリドール事件などが相次いだ。これらは筆者のとぼしいメモを拾ったにすぎず、けっしてこれで全部ではないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・今野圓輔・民俗学・昭和(高度成長期))
民俗学者・今野圓輔が高度成長期の日本に残る迷信を社会派ルポとして告発・分析した一冊。序章では、静岡県掛川市で異性双生児を畜生腹と恥じた母親の母子心中事件、青森県三本木市でキツネ落としと称して女を火あぶりにした殺人事件など、迷信が現代も殺人・心中を生む『黒い習俗』を突きつける。