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酒を注いだ骸骨の娘の三年忌

所在地岩手県遠野市
年代四月八日
登場手間賃取りの爺・娘の亡霊
出典佐々木喜善全集 1

どんな伝承か

手間賃稼ぎの爺が、四月八日に急な用を頼まれ、酒の徳利を提げて出かけた。途中の野原で休むと足もとに骸骨があったので、骸骨にも酒を注いで花見を共にしようと歌って立ち去った。帰りの夕暮れ、十七、八の娘に呼び止められ、三年前ここで急死し親に見つけてもらえずにいる、今月二十八日の三年忌に迎えに来てほしいと頼まれた。爺は狐を疑いつつも約束し、当日娘に連れられて隣村の大家へ行き、娘の着物の裾につかまると人に見えずに仏壇の間に座り、供えの酒や膳を食べた。下女が皿を割って叱られると娘は去り、爺の姿が人に見えた。親たちは爺の案内で野中から娘の骨を持ち帰って葬り直し、爺はその家の世話で一生安楽に暮らしたという。

原典より

爺は半信半疑で、それでもともかく二十八日となつたから野中に来て見ると、もう遙か向ふから娘の姿が見えて居た。—— 佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

佐々木喜善全集 1(佐々木喜善・佐々木喜善全集・1986年(昭和61年))

『佐々木喜善全集 1』は、佐々木喜善の著作を遠野市立博物館が編集・発行し、昭和六十一年に刊行した全集の第一巻である。岩手県の遠野・江刺・紫波・岩手などで聞き集めたザシキワラシの話、昔話、伝説を、村の古老や知友からの聞き書きと手紙による報告をもとに収める。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「紫波郡昔話」「東奥異聞」「老媼夜譚」「聴耳草紙」に小篇を加えて並べ、巻末に遠野市教育長の跋と奥付を置く。

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