火事の風向きを変える女の腰巻き
どんな伝承か
佐倉に伝わる俗信では、火事のとき女が腰巻きを外して風上に向けて広げると、風向きが変わって火災を避けられると信じられ、現在の年寄りのなかには実際にこれを経験したという人もいるという。相撲取りのさがりや女性の腰巻きには、その本来の用途を超えた呪術的な意味があるとされた。言葉や物に霊力が宿るという考えのもとで、女性の身につける物にとりわけ強い力が認められていたことを物語る習わしである。
原典より
火事の時女が腰巻きをはずして風上に向けてひろげると風向きが変わって火災が避けられるというので現在の御年寄りの中にはこの経験をされている方もいる。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。