鐘を鳴らして生き埋めになった侍の墓石
どんな伝承か
木野子の墓地の中の大きな桜の木の下に、一人の侍が生き埋めになった。その時侍は銀の鐘を持っており、そばにいた人に、この鐘の音が聞こえなくなったら自分は死んだのだと思ってくれと言い残した。やがて鐘の音も聞こえなくなったが、翌朝墓地へ行って人々は驚いた。そこに大きな石が立っていたのである。丈は大人の背丈以上もあり、つるりとした丸い茄子のような石であった。誰が言い出したのかイボ神様と呼ばれ、イボが出来るとその石でこすり、来年の初豆が出来たら一番に供えると言って治してもらう。しかし実はこれは木野子宝鏡院の開祖加藤竹丸忠秀の墓で、徳川の動静を探る隠密として雲水に身をやつし当地にいたと伝える。
原典より
木野子の墓地の中の大きな桜の木の下に、一人の侍が生きうめになった。—— 佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐倉市史 民俗編――伝説・怪異(佐倉市(編)・佐倉市史)
『佐倉市史 民俗編――伝説・怪異』は、千葉県佐倉市の市史の民俗編のうち、第七章「民俗知識」と第八章「口承文芸」の伝説の節である。市内で採録した吉凶の予兆やまじない、民間薬、天気の言い伝えと、狐や狸の化かし、デーダラボーの足跡、岩富の首なし塚、天狗、狐火、印旛沼のカワボタルなどの伝説を収める。伝説は文化財保護委員会の分類に倣って自然伝説・歴史的伝説・信仰伝説に分け、終わりに村々の禁忌を置く。