蛇聟入(環型)
どんな伝承か
向原下組で羽田トヨコ(昭和二年生)が語った菖蒲湯の由来。菖蒲湯には女が入るもので、山へ行って蛇に憑かれないためだという。蛇は男にも女にも化けるといい、菖蒲湯に入ればその化けが消えると伝える。調査者が化けたものが来たことはあるかと問うと、来てしばらく居たようにとれる話も聞いたことがあると答えている。『向原の民俗 下』の昔話話型一覧では、日本昔話大成一〇一A「蛇聟入(環型)」の断片として分類されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。