神代に蹴られた尾根の上扉中扉下扉
どんな伝承か
神代の昔、何者かがあそこで足で何かを蹴飛ばすと、そこがはじけ飛び、飛んできた岩のようなものがぶつかって地肌がむけ、そのまま草も木も生えなくなったという。やがて少しずつ草は生えてきたが、跡は今も三か所に残る。山の神様の尾根道を三百メートルほど行った岩場の木の無い所が下扉、少し登って尾根が急になり岩がむき出た所が中扉、さらにまっすぐ登って尾根が行き詰まるような赤土の所が上扉と呼ばれている。
原典より
今残っているのはな、下扉(したっとおびら)っちゅうて、山の神様の尾根道づたいに行くと、300メートル位行ったところに、岩のあるような所で、木のねえ所があっただ。—— 向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
向原の民俗 下――昔話(民俗調査報告 第9号・第10号・民俗調査報告)
『向原の民俗 下――昔話』は、民俗調査の報告書『向原の民俗』下巻のうち、「口承文芸」の章を収めたものである。向原の下組の調査と上組の補足調査で採った昔話、世間話、伝説、畑作の諺を、話者の名と生年を添えて土地の言葉のまま記し、狐火や狐に化かされた話、万年寺や新田様の言い伝えも含む。概観に続いて昔話・世間話・伝説・諺の節を立て、昔話には『日本昔話大成』の話型を対照させた一覧表を付す。