口寄せののおを祀った上平のののお塚
どんな伝承か
上平の島に、口寄せをする巫女のような人がいて「ののお」と呼ばれていた。阿波島大明神の神意を受けて、病気や方角、神仏のさわりや祟りを見立て、それを除いたり祈ったりしてくれるので、各地から大勢が占ってもらいに来た。ののおは死に際に、自分を阿波島大明神としてまつってくれれば、参る者の願いは何でもかなえてやると言い残した。村人は言われたとおり、庵近くの横小路と寺村街道が交わる三叉路の台地に葬り、その上に阿波島大明神をまつった。願を掛ける人は今も多く、小さな幕などがいつもたくさん奉納されているという。
原典より
その、ののおが死ぬときに、「俺が死んだら阿波島大明神として祀ってくれ、そしてお参りすれば何でも願いごとは聞いてやる」といって死んだという。—— 坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説(坂城町(編)・坂城町誌)
『坂城町誌 上巻(民俗編)――伝説』は、長野県坂城町の町誌上巻(自然編・民俗編)から、民俗編の数章を抜き出したものである。祟る所や神罰、ヒトダマ・狐火などの怪異、魔除け、植物の禁忌といった俗信を地区ごとの事例として番号を付けて並べ、続いて甘利さま、天田長者とほうず池、苅屋原の七不思議、貉和尚、夜泣き石など三十余りの伝説を収める。伝説の章は調査員の調査をもとに、以前の調査記録も二、三篇併せて載せる。