赤いいたちが導いた湧き水いたち水
どんな伝承か
お供え物を上げておくと、赤いいたちが現れて運び去り、供え物がなくなってしまうことが続いた。不思議に思った者たちがいたちの後を追うと、古い木の根もとへもぐっていくらしい。そのことを禰宜様に相談すると、そこを掘ってみるとよいと言われた。しばらく掘ると餅ばかりが出てきて、いたちの姿はない。さらに掘るよう言われて掘り進めたところ、水が湧き出してきた。それ以来その場所をいたち水と呼び、飲み水として使うようになったという。
原典より
お供え物をあげとくと、赤いいたちが出て来て、運んじゃってなくなってしまう。—— 坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説
『坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説』は、天竜村坂部の民俗をまとめた民俗誌稿のうち、第十二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。さるかに合戦、へび女房、桃太郎、花咲かじじいなどの昔話を語り手の名を添えて土地の語り口のまま記し、先途の七人塚、お万さま、天龍川のかわらんべ、早太郎のひひざる退治など落人や土地にまつわる伝説を並べる。昔話を動物昔話・本格昔話・笑話に分け、伝説、なぞと続ける。