痛む所を撫でるおびんづる様
どんな伝承か
沢田にある常安寺は天正八年の創建と伝わり、病気や痛みの治療にご利益があるとされた。願のかけ方は、自分の痛むところと、「おびんづる様」と呼ばれる黒い仏像の同じ部分とを触るというものである。宮古では医学の及ばない病を神仏に託す習わしが根強く、神社や寺での願かけには石や水が霊力のあるものとして用いられた。小山田薬師神社の奇石、長根寺のおだま様と並んで、常安寺のおびんづる様も治病の願かけの場として知られていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪(宮古市(編)・宮古市史)
『宮古市史 民俗編 上巻――民間宗教者・俗信・妖怪』は、宮古市の市史のうち、民俗編上巻の第四節「民間宗教者」と第五節「民間医療と俗信」を収めたものである。南部藩の宗門帳などの古文書から閉伊郡の山伏・神子・瞽女と里修験の成り立ちをたどり、イタコ・カミツキと呼ばれる巫女の系統、新宗教、民間薬、予兆・占い・まじない・禁忌を述べる。俗信の末尾には座敷童子・カッパ・キツネ・モウコ(幽霊)・オシラサマなどの話を、地区名を添えて箇条で並べる。