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雲州皿屋敷のお菊

所在地島根県松江市
年代正保年中
登場松江藩士某、腹黒い妻、下女お菊
出典妖怪の民俗学――日本の見えない空間

どんな伝承か

島根県松江市に伝わる「雲州皿屋敷」の話である。正保年中のこと、松江の藩士某が南京の皿十枚を秘蔵していた。その妻女は腹黒い女で、憎んでいた下女に罪を着せようと十枚のうち一枚を割って井戸へ落とし、下女が盗んだと折檻した。下女は無実を晴らすすべもなく、井戸端に首を吊って死んだ。それから亡魂が夜な夜な井戸端に現れ、「一つ二つ」と悲しげに皿の数を数え、九つまでは数えるが「十」といえずにワッと泣く。この怪事が久しく続いて家中の評判となった。ある心きいた武士が一夜その屋敷にひそみ、女の亡魂が「九ツ」と数えるや「十」といったところ、女の形はパッと消え、以後は出なくなった。その屋敷は松平家の御用屋敷だという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

妖怪の民俗学――日本の見えない空間(宮田登・宮田登・民俗学・1985年(昭和60年))

『妖怪の民俗学――日本の見えない空間』は、宮田登が一九八五年(昭和六十年)に著した、妖怪の現れる場所を論じた民俗学の書である。柳田国男と井上円了の妖怪論、幽霊と妖怪の違い、口裂け女と産女、皿屋敷、化物屋敷と下女、辻・橋・境の怪異、怪光と怪音、七不思議、通り悪魔と髪切りを、古文献や新聞記事、各地の伝承から読み解く。四章から成り、都市の空間に妖怪が現れる仕組みを軸に据える。

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