産湯に使った弘法大師の井戸と古井戸姓
どんな伝承か
古井戸貢氏の屋敷内に、清水の湧く浅い井戸がある。水位は一年を通して変わらず、雨の降らない冬でも夏と同じほどある。近所の産婆がこの水で産湯を使わせると子どもがすくすく育つといってよく用いた。この井戸は弘法大師の井戸だと伝えられる。古井戸家は幕末までは小井戸(土)姓だったが、このありがたい井戸にちなんで古井戸姓に改め、この一族だけが古井戸姓を名乗るという。今も冬は温かく湯気が立ち、とてもきれいな井戸である。
原典より
古井戸貢氏の邸内に清水の湧き出している浅井戸がある。—— 富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話(富岡市(編)・富岡市史)
『富岡市史 民俗編――昔話・伝説・世間話』は、富岡市が編んだ市史の民俗編のうち、民俗知識の章の末尾と口頭伝承の章を収めたものである。口頭伝承の章は、昭和四十年代以降の中学校郷土部の採話や額部地区の民俗調査、市史編さんの調査で聞き取った昔話・伝説・世間話と、富岡・甘楽方言の解説から成る。伝説は自然的・社会的・信仰的の三つに分け、羊太夫や小野小町、貫前神社にまつわる話と多くの地名起源を載せる。