葬列の父を蘇らせた戻り橋
どんな伝承か
京都の一条堀川に架かる戻り橋には、その名の由来を語る伝えがある。熊野の山中で修行していた浄蔵は、父の三善清行が亡くなったと知らされたが、葬儀には間に合わなかった。ところがちょうどこの橋の上で父の葬列に行き合い、浄蔵が加持祈禱を行うと父は息を吹き返し、親子で言葉を交わしたという。あの世から魂を呼び戻した橋であることから「戻り橋」と呼ばれるようになったと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・1986年(昭和61年))
『暮しの中の妖怪たち』は、岩井宏實が昭和六十一年に著した妖怪の概説書である。鬼・天狗・河童から山姥、産女、雪女、怪火、ザシキワラシ、化け猫、狐狸、幽霊まで、各地の伝承や古典・絵画に見える妖怪を一つずつ取り上げ、その姿と仕業を説く。第I章で個々の妖怪を紹介し、第II章で妖怪の性格、出現の空間と時、正体を論じ、巻末に著者が資料とした妖怪の本の一覧とあとがきを置く。