窯鎮めの日と炭焼道具のカナミコサマ
どんな伝承か
高知県幡多郡の山村の炭焼きは、正月・五月・九月の二十日を窯鎮めの日とし、番小屋にお札を張って仕事を休む。正月二十日は山の口開けで、窯に深山榊を立てて神酒をふりかけるという。また正月十四日には炭焼きの道具をカナミコサマと呼んで祭るともいい、ここにはたたら師の信仰の影響も混じっているらしいとされる。炭焼きと鍛冶・製鉄の信仰のつながりをうかがわせる例である。
原典より
また正月一四日に炭焼道具をカナミコサマと呼んで祭るともあり、ここでは殊によるとタタラ師の信仰の影響がさらに混在しているらしい。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。