山家清兵衛が和霊様として神になる
どんな伝承か
民間信仰では、死者も神になると考えられてきた。その道筋は二つあり、一つは長い年月をかけて清まったのちに神となるもので、三十三年忌の忌明けや、まれに四十九年、五十年後のトブライアゲ、トイキリの習わしに見られる。もう一つは、生前あるいは死後すぐに霊神として祀っておき、しばらくたってから神とするもので、柳田国男の挙げた伊予の和霊様がその例である。和霊様となった山家清兵衛は、のちに大明神として祀られた。佐倉宗吾も同じ型の例とされ、木曽御岳教で中座や先達を霊神碑に祀る風習もこれに当たるという。
原典より
この場合には、長い年月を経て、清まわったのちに神となる場合と、生前から、または死後ただちに霊神にまつっておき、しばらくしてから神になる場合とがある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。