太郎丸に憑いた道真の霊
どんな伝承か
男の子供が神となる例は各地にあり、不思議に七、八歳の者が多い。菅原道真の霊は、天暦元年、近江比良の神主良種の息男で年七歳の太郎丸にあらわれ、燃えあがるような憤怒の心を述べたと伝えられる。このような児童を古くから尸童といい、男に限らず女もまた尸童となった。七歳は男では袴着の祝い、女では前掛け祝いのおこなわれる年であって、きわめて重要な年齢に当たっていた。
原典より
たとえば、菅原道真の霊が、天暦元年(九四七)近江比良神主良種の息男年七歳の太郎丸にあらわれて、燃えあがる憤怒の心を述べたとある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。