竹に挿して焼くオコゼを供える山の神
どんな伝承か
高知県吾川郡の山村では、毎月旧暦の十九日を山の神の日とし、木挽きや石割りをする者たちがこれを祭った。掘立小屋の形に山小屋をこしらえ、竹で編んだ簀の上に神を祭って、オコゼを一匹竹に挿して焼いて供えるという。同じ高知県の土佐山村や幡多郡の山村でも、それぞれ決まった日に山仕事を休んで山の神を祭っていたと記されており、職種や土地によって祭り方に違いがあったことがうかがえる。
原典より
掘立小屋にした山小屋を作り、竹の簀の上に祭り、オコゼを一匹、竹に挿して焼くというのは興味がある。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。