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狐から奪った玉と痩せた大工

所在地東京都江東区亀戸
年代不明
登場大工某
出典動物妖怪譚

どんな伝承か

江戸本所の亀井戸、名主が持つ地面に住む大工が、夏の夜に涼んでいると狐が一匹あらわれた。狐が手で何かを転がすたび、ぱっと火が燃え立つ。その明かりで地面を照らし、虫を拾って食べているのだった。近づいても狐は気づかず、玉は次第に手元まで転がってくる。すかさずつかむと、狐は驚いて逃げた。手の中には白い玉があり、転がせば火が出るので付け木がいらない。三年ほど秘蔵するうち、狐が一匹昼夜つきまとい、大工はみるみる痩せ衰えた。祟りだと言われ、ある夜わざと玉を投げてやると、狐は躍り寄ってそれをくわえ、姿を消した。以後、大工は何ごともなかったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))

『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。

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