外記庁の黐の木に掛かっていた法師
どんな伝承か
『古今著聞集』には、仁治三年十一月の大嘗会のとき、外記庁の大きな黐の木に一人の法師が引っかかっていたという話が載る。著者は、あこ法師の神隠しとともに、天狗が人をさらって思わぬ所に置いていく話の例として挙げ、これも天狗の仕業とされたと記している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・1973年(昭和48年))
『日本の妖怪』は、早川純夫が一九七三年(昭和四十八年)に著した妖怪史の読み物である。『出雲風土記』『日本書紀』から『日本霊異記』『今昔物語』、江戸の『新著聞集』などの随筆までの古典に記された妖異を、かかわりのある実在の人物や事件とともに古代から近世へ時代順にたどる。全八章で、引用は意訳を交えて『』でくくり、仏教談や霊験談、地方の民話はおおむね除き、第七章には江戸の見聞録から選んだ二十話を並べる。