縁の下に住まいを構えた奥女中
どんな伝承か
寛政七年の冬、小笠原家の奥女中で器量が一、二と評された女がふいに姿を消した。屋敷は壁で厳重に囲まれて抜け出せるはずもなく、実家にも何の便りもない。二十日ほどたったある日、別の女中が手水を使っていると、細い流れに白い手が伸びてきて貝殻で水を汲んだ。悲鳴に人が駆けつけると、怪しい女が縁の下へもぐり込んでいく。捕らえてみれば消えた当の女中だった。よい所へ嫁いで夫もいると言い、案内させると縁の下の奥に筵を敷き古い椀を並べた住まいがあった。暇を出されたのち、手当ての甲斐なく死んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・昭和)
早川純夫『日本の妖怪』。神話時代から江戸まで、日本の妖怪と妖異を歴史の流れに沿って描く。