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右近の陣を通る幻の公卿

所在地京都府京都市上京区(右近の陣)
年代延長八年(930)6月25日
登場宇多院の随臣
出典日本の妖怪

どんな伝承か

『古今著聞集』の変化の項によれば、延長八年六月二十五日、宇多院に仕える者が近衛の右近の陣の前を通りかかると、三位の公卿一人と五位の者一人が、供に灯を持たせて通り過ぎていくのを見た。ところが実際にはそのような者たちはおらず、世の人は鬼のしわざではないかと恐れたという。同書の恠異の項には、このころ黒雲がにわかに湧き起こり、五、六丈もある大蛇が落ちかかったとも記す。著者は、翌日の清涼殿への落雷という大事件の前後に、こうした幻の妖物が生み出されたのではないかと述べている。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本の妖怪(早川純夫・早川純夫・妖怪史・1973年(昭和48年))

『日本の妖怪』は、早川純夫が一九七三年(昭和四十八年)に著した妖怪史の読み物である。『出雲風土記』『日本書紀』から『日本霊異記』『今昔物語』、江戸の『新著聞集』などの随筆までの古典に記された妖異を、かかわりのある実在の人物や事件とともに古代から近世へ時代順にたどる。全八章で、引用は意訳を交えて『』でくくり、仏教談や霊験談、地方の民話はおおむね除き、第七章には江戸の見聞録から選んだ二十話を並べる。

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