荒神の墨を嫌った川童の子
どんな伝承か
佐賀の高木町の町家の十一、二歳の娘が、寺子屋の帰りに隣家の男の子に会い、観成院の前の川で遊ぼうと約束した。家に戻って食事をし出かけようとすると、話を聞いた親が用心のために竈の神を拝ませ、荒神様お守りくださいと娘の額に竈の墨を塗って送り出した。待っていた子はつくづく娘の額を見て、お前は荒神の墨をいただいて来たからもう一緒に泳ぎたくないと言って去り、それで川童であることが知れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。