冬の夜に響く迷子捜しの声
どんな伝承か
加賀の金沢の按摩の話では、この土地もずいぶん開けたが、十年ほど前までは冬の夜更けに町を歩くと、迷子の誰それと呼ぶ声と、それに伴う寂しい鳴り物の音を聞かない晩はなかったという。柳田は、神隠しは冬に多いのがどの地方にも共通で、一日のうちでは黄昏を逢魔が時といって一人で外にいる者に災いがあるとされたと述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
妖怪談義(柳田國男選集 五巻)(柳田國男・柳田國男・妖怪学・1956年(昭和31年))
『妖怪談義(柳田國男選集 五巻)』は、柳田國男が妖怪についての論考を集め、昭和三十一年に自序を付して編んだ論集である。妖怪と幽霊の別を説く総論「妖怪談義」に始まり、川童・小豆洗い・ザシキワラシ・山姥・山男・大太法師・一つ目小僧・天狗などを、各地の言い伝えと方言の呼び名から考える。巻末に全国の妖怪の名を短い説明つきで集めた「妖怪名彙」を置き、大藤時彦の解説を付している。