獲物を盗む狐を欺いた鉄砲名人
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どんな伝承か
元文元年、南部の大畑村に坪長右衛門という鉄砲うちの名人がいた。いつも村はずれの池のくぼみに寄ってくる鳥を、手練の筒先で射止めるのが常であった。ところがあるときから、長右衛門が撃ち取ると、物陰に隠れていた狐がさっと走り出て獲物をくわえて逃げるようになった。狐の動作が速く、どうすることもできない。そこで一策を案じ、鳥を仕留めても見えぬような顔をして「鳥が見えぬわい。どこへ隠れたか」と大声で独りごちながら池のまわりを回った。狐は言葉につられて後をついて回り、狙いよい場所まで来たところを早業で撃ち殺したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
河童・天狗・妖怪――民俗随筆(武田静澄・武田静澄・民俗随筆・昭和)
武田静澄『河童・天狗・妖怪―民俗随筆』。全国の妖怪伝承を天狗・河童・ざしき童子・妖怪心理の四部で随筆風に集成する。天狗篇では天狗の団扇・誕生、祈禱くらべ、天狗に憑かれた女、幻術つかい、神かくし、天狗にさらわれた人々(お庭番のゆくえ・天から降った男・ふたり夫・天狗六兵衛・おかんの末路)、神かくしにあう心理、ぐひん餅と山荒れ、天狗の相撲場などを収める。
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