念写の着想と局部感光の発見
どんな伝承か
福来友吉は、透視の対象が肉眼で見えないものであれば証拠力が高まると考え、炙り出し文字、さらには未現像の写真乾板の透視を着想した。明治四十三年十一月、熊本で御船千鶴子に高の字を写した乾板を透視させたが失敗、続いて丸亀の長尾郁子に菊地俊諦を介して依頼すると的中の報告を得た。実験条件が守られなかったため再実験を行い、返送された乾板が全面感光していたことから、福来は精神の働きで中央一枚だけが感光する局部感光を推定し、念写の可能性を導いた。
原典より
若し三枚並べた乾板の内で、中央の一枚丈が精神の働きで感光するものであるなら、一枚の乾板の一局部に精神の働きを凝集すれば、其の一局部丈が感光して、他の部分は感光せぬわけである。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。