長尾郁子の念写成功
どんな伝承か
福来友吉は、精神を凝集すれば乾板の一局部だけを感光させる局部感光が可能であり、それはすなわち念写にほかならないと推定した。そこで自ら買い求めた写真乾板を用い、面前に座らせた長尾郁子に念写を課した。郁子は「南無観世音大菩薩」と静かに念唱して文字や図形を念じ込み、繰り返すうちに天照・神・仁・一・川などの文字や黒丸の明瞭な念写に成功したという。新聞は「精神写真の成功」などと大見出しで報じ、大きな反響を呼んだ。
原典より
こういふことを繰返し行なって、福来は、天照、神、仁、一、川、等の文字や、黒丸等の、明瞭な念写に成功した。—— 新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、クルックスらの実験研究、マルクス主義からの攻撃、SPRとASPR、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。