中身のない箱を透視させた実験
どんな伝承か
千里眼を手品として暴こうとしていた藤教篤は、牛込に住む千里眼候補の阿万利を実験所へ呼び、箱を差し出して中身を透視せよと求めた。阿万利は一心に念じたものの像は定まらず、その旨をありのままに申し述べる。すると藤は得意げに蓋を取り、見よ何も入っていないと言い放った。高橋五郎はこれを丸亀の二の舞と評し、空虚なもので人を試す虚験家という栄名を得たと皮肉る。阿万利の友人たちは憤慨し、藤の罪を責める演説会を開こうとしたとも新聞に伝えられた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜(田中千代松・田中千代松・心霊研究)
『新霊交思想の研究――新スピリチュアリズム・心霊研究・超心理学の系譜』は、田中千代松が著した思想史の研究書である。死者の霊との交信を説く新スピリチュアリズムと、そこから生まれた心霊研究、さらに超心理学までの系譜を、社会思想史の観点から科学と宗教の闘争史としてたどる。全七章と結語から成り、欧米での勃興、SPRとASPR、マルクス主義からの攻撃、井上円了と福来友吉、ラインの実験と超心理学の限界を順に論じる。