卯年が食わぬあかざと文殊堂
どんな伝承か
卯文殊というように、卯年生まれの守護神は文殊菩薩とされる。野草のあかざは文殊のおしみ草と呼ばれ、卯年に生まれた者はこれを口にしない。あかざは抜かずに置くと幹が太く育ち、杖に仕立てられるので、卯年の人の杖にする土地もある。白鷹町の浅立では、このあかざを根ごと掘り起こし、九月二十五日の祭日に文殊堂へ奉納する。子どもが賢く丈夫に育つようにという願いを込めた習わしだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。