大黒堂に籠る行人の作占い
どんな伝承か
羽黒山では、柱松の火比べよりさらに細かく年を占う作法があった。一年を通じて火を穢さぬよう守る、行人と呼ばれる修験者が、山上の大黒堂にこもって七日のあいだ秘法を修する。そこで年間の天候や出水、早稲と晩稲それぞれの作柄、大豆や麦の出来、漁の具合までを占った。その結果は板木に彫り、紙に摺って信者へ配ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。