中座に神が憑く行人の作だめし
どんな伝承か
湯殿山系の鶴岡市南岳寺、立川町西光寺、酒田市海向寺などでは、行人たちが集まって護摩を修したあと、木曽の御嶽山のように縄で縛り目隠しをさせた一人の行人を多くの行人が囲み、錫杖を振って経を読む。すると中座の行人に神か仏が憑りついて激しく体をゆすり、高く飛び上がる。聞き役が何さまかと尋ねると、山の神とか不動明王などと名乗り、米は何分、四月は雨勝ちなどと託宣する。それが終わると中座は別の行人と代わり、信者それぞれの伺いに答えることが明け方まで続いた。いまも行なうのは海向寺だけだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活・民俗調査)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)』所収の禁忌・卜占・予兆・生活の中の神々・死霊。山形県置賜地方に伝わる民間信仰を採録する。