白隠が名づけた山之上の富士
どんな伝承か
白隠禅師が山之上の岩滝山にこもって修行していたころ、あたりに故郷の駿河の富士によく似た形の山があった。禅師はその山を富士山と名づけ、浅間神社を祀ったという。白隠は翌年には郷里へ帰ってしまったが、それ以来、山之上の村人たちのあいだにひとつの習わしが生まれた。毎年四月十九日の夜、白隠ゆかりの賑済寺に集まって一夜を明かし、翌二十日に山之上富士へ登って浅間神社に参拝するのである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史)
『美濃加茂市史 民俗編――伝説』は、美濃加茂市の市史民俗編のうち、第一三章「俗信」と、第一四章「伝説 昔話 世間話」の総説および第二節「伝説」を収めたものである。天候・農事・人事にかかわることわざと俗信、民間療法、樹木の禁忌を挙げたうえで、伊深・蜂屋・太田・三和など市内各地区に伝わる三度栗、龍宮さまの淵、火塚、山男、かぶと淵などの伝説六十四話を記す。昔話・世間話の節は含まず、伝説の多くは題に伝承地区の名を添える。