みぞろが池に姫を据えた神楽の日
どんな伝承か
八月十四日、吉実は郎党に座敷を飾らせ、すぐり藁の荒菰を敷き、四方に簾を張って姫の御座の間と定め、二十一度の垢離をかかせた。芦毛の馬に乗って上下胆沢を触れ回り、明日は自分の当番で高山みぞろが池へ身御供を上納するので老若男女かまわず見物せよと告げた。夜が明けると弥宜や神主が集まって神楽の用意をした。池では御座船三艘を飾り、島の柳の木四本に三階の棚をかけ、上の棚で半時ばかり神楽を奏し、鈴と太鼓と笛の音が響いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史)
『胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説』は、胆沢町の町史民俗編の一冊のうち、第四章「口承・伝説」を収めたものである。第一節は松浦佐用姫と高山掃部長者の伝説を扱い、胆沢・水沢周辺の伝説地を列挙したうえで、町内に伝わる佐夜姫の本地物の写本や『南部叢書』所載の「奥州胆沢高山実伝」を翻刻する。第二節「いさわの昔話」は大蛇・狐・むじな・飢饉・戦後の怪異などの話を番号順に並べ、第三節「いろいろな昔話」へと続く。