白蛇が娘に生まれ変わる恩返し
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どんな伝承か
ある日、黒硬坊が止々井沼のほとりを歩いていると、行く先の道に一匹の白蛇が出て来た。かつて村人を苦しめた白蛇を忘れていない黒硬坊が言葉を荒らげて叱ると、白蛇はたちまち菩薩の姿に変わった。菩薩は、自分は九十九郡の内神菩薩であるが、大昔に大罪を犯して阿弥陀の怒りに触れ白蛇にされ成仏できずにいる、このたびあなたの神の力で丘に上がれず娘を食えなくなり困っていると語り、沼深く沈んでいった。黒硬坊は気の毒に思い、神狐に頼んで成仏させた。よみがえった菩薩は夢枕に立ち、妻の腹を借りて恩を返したいと告げて消えた。まもなく妻は娘を産み、その娘は胆沢の豪族安倍の嘉門の妻となり賢妻の名を得たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
胆沢町史 11(民俗編4)――口承・伝説(胆沢町(編)・胆沢町史・自治体史(民俗))
岩手県胆沢町の伝説・昔話を網羅する。第一節は高山掃部長者と松浦佐用姫の物語で、薬師如来本地松浦佐夜姫誕生記、高山掃部長者竹生嶋弁財天胆沢物語、『南部叢書』所載の奥州胆沢高山実伝(高山稲荷の由来、嘉門長者の妻が嫉妬で大蛇に化し止々井の大堤に隠れて人を害し、美女を牲に供える年番が定められ、遠州小夜の中山から小夜姫が身売りして奥州に下り、牲に上るが神明仏陀の冥助で害を免れ大蛇の骨角を埋葬、潟岸薬師・諏訪明神を祀る)など複数の版と考証を収める。
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