鶏を四羽飼わぬ漁村の忌数
どんな伝承か
全国の小学校を通じて行われた迷信調査の報告に、家畜に対する禁忌として三例が挙げられている。その第四十三例が「鶏は四羽飼わない」で、回答したのは山形県の漁村調査校、すなわち鼠ヶ関の西田川郡念珠関小学校であった。ほかに栃木の須賀川では鶏を四羽または八羽飼うことを嫌い、新潟の聖籠では猫や牛を飼うとき子供と同じ年のものを飼わないという。四という数を忌む考えが、家畜の飼育のしかたにまで及んでいたことがうかがえる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。