易者が最悪と占った縁談の悩み
どんな伝承か
読売新聞の人生案内に、大田区の木下という二十七歳の女性事務員が相談を寄せた。会社の上役から、かねて好意を抱いていた弟との縁談を持ちかけられ、母に話すと、母は何人もの易者に占ってもらい、そろって最悪の縁と出たのであきらめてほしいと言う。女手ひとつで育ててくれた母は、自分の夫運が悪かったのは易者の言葉に背いたからだと信じ込み、一生に一度のわがままだと泣いて頼む。易は信じないが母に逆らえず、良縁も捨てきれない。回答者の杉静枝は、母の結婚の失敗の原因を見きわめ、自分の愛と覚悟で母を納得させるよう勧めた。
原典より
数人の易者に占って貰ったところその全部が最悪の縁だというからあきらめてくれと申します。—— 日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。