ヤマンバの刀千腰
どんな伝承か
南宇の岡田作一翁の話に、昔ヤマンバがある家へ毎夜やって来て、刀を千腰打ってやると約束した。九百九十九腰まで打ち、千腰目の晩に、その家の嫁さんが残り湯をうっかり鶏の止り木にかけてしまった。驚いた鶏が時をつくったので、ヤマンバは朝になったと思い、千腰目を打たずに逃げ去ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪
『阿波木頭民俗誌――伝説・妖怪』は、阿波の木頭地方の民俗誌のうち、「八、伝説・妖怪」の節と、阿波の太布を論じた一篇を収めたものである。前半は北川・折宇・蟬谷などの平家落人の話、平家の皿泉、カマ(滝壺)の大蛇、山爺やアセゴノマン、フルソマ、怪火、狐、隣の槙山村の塚の伝説を、『郡誌』の記事と古老の話から述べる。後半は太布に関する文献を挙げ、祖谷と木頭での聞き書きと製品の調査から原料・製法・道具を記す。