日本海海戦前夜の沓島ごもり
どんな伝承か
日露戦争のさなか、一九〇五年五月に、開祖ナオは十日間にわたって沓島にこもった。ナオにとってこれが最後の出修、いわゆる「とどめの行」であり、前月に神示を受けたとして水行をやめたのに続く、世に落ちている元の神を表へ出すための締めくくりの荒行だった。ちょうど日本海海戦の直前にあたり、沓島に居ついたナオと随行の二人は、漁師たちからロシアのスパイ、すなわち露探ではないかと疑われ、丹後の漁港はひとしきり騒ぎになったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
出口王仁三郎(村上重良・村上重良・近代民衆宗教史・1973年(昭和48年))
『出口王仁三郎』は、村上重良が昭和四十八年に著した大本教の指導者出口王仁三郎の評伝である。丹波穴太村の小作農の家に生まれた上田喜三郎の生い立ちと修行から、出口直との出会いと大本教の拡大、大正維新と不敬事件、『霊界物語』の口述や入蒙、昭和神聖会と大弾圧、法廷での闘い、晩年までをたどる。「故山の夢」「道の大本」「人類愛善」の三章に分けて叙述し、巻末に略年譜と参考文献を付す。