天の柳の葉から生まれたシシャモ
どんな伝承か
天上にも吾々の住む島と同じような島があり、そこには川べりに柳の木ばかりが生える、ススランベツという大きな川が流れていた。あるとき、その柳の葉が一枚、地上の鵡川の上へひらひらと舞い落ちた。天国の木の葉が地に散ったまま腐ってしまうのは可哀そうだというので、神が木の葉に命を与え、シュシュハム(柳の葉)という魚に変えた。そのため毎年、木の葉の散る頃になると、この川にシシャモがのぼってくるのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第1巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第1巻』は、叢書『日本伝説大系』のうち北海道と青森県の伝説を収めた巻である。人間の始めやコロポックル、アイヌの神謡、岩木山一代記、おしら祭文、義経や弘法大師の事跡、狐や大蛇の話、地名や神社の由来などを、口承の資料を中心に採る。伝承地を記した例話を冒頭に置き、〔類話〕〔文献〕〔参考〕の欄で各地の類話の梗概と近世以後の文献の原文を添える編み方をとる。