炭焼きの家に来た雪の精の女房
どんな伝承か
深い山奥で炭焼きをして暮らす若者がいた。ある冬の晩、綺麗な女が訪ねてきて、道に迷って帰れなくなったから泊めてほしいという。若者は女を泊め、やがて仕事を手伝ううちに夫婦のようになり、子供も生まれた。女は雪の精であったのか、寒さを苦にせず、若者が呼んでもなかなか火には近づかなかった。ある吹雪の晩を一家三人でしのいだが、正月を迎えるころ、女房は外に出たいと言い出し、夫が止めるのも聞かずに吹雪の中へ一人で出て行った。まもなく妙な音がしたので夫が外を見ると、雪崩の起きた場所に女房の着物の裾が見えたが、そこには何もなかった。結局、雪の精が子供を授けてくれたのであり、その後、親子は里に下りて楽に暮らしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。