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水を吸う大木と三つの面のすり替え

所在地和歌山県紀の川市貴志川町国主
年代伝承(口承)
登場さくらいじさん、渕に飛び込み三つの面を取った者
出典日本伝説大系 第9巻

どんな伝承か

昔、日照りが続いてみんなが集まって相談した。その時、一人が考えついて川に大きな穴を掘り、そこから水車で水を汲んだ。すると急にゴーと音がして穴の中の水がなくなってしまった。上を見ると大きな木が水を吸っていた。太い綱で力を合わせて引いたが綱が切れ、「さくらいじさん」に来てもらって二、三回引くと木が倒れ、根元から水が湧き出して雨も降ってきた。少し経ってさくらいじさんが来てみると、化け物のようなものが川の中で泳いでいた。刀を腰に差して飛び込み、争って脇に二つ、首に一つ、合わせて三つの面を持ち帰ったが、腰を見ると刀がなく、潜って探しても見つからなかった。三つの面は一つを紀州の殿様に、一つを高野山に納め、一つは自分の家に置いた。二、三日して安楽川の人が借りに来て返してくれたが、少し経って見るとその面は変えられていた。今でもその面は変えられているという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。

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