森に棲み生血を吸った鬼婆
どんな伝承か
昔、大宮駅と呼ばれた宿場の森の中に、鬼婆が棲みついていたという。この鬼婆は人の生き血を吸って生きながらえており、道を行く女を言葉巧みに誘い込んでは殺していた。人を喰らうときには恐ろしい顔つきに凄まじい笑みを浮かべ、口のあたりを血に染めていたと伝わる。その姿は何とも言いようのない恐ろしさであったと、何かの拍子にこれを目にした男たちが語り伝えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。