弘法大師が疣を癒やした疣水
どんな伝承か
旧横瀬村の姿の池から百メートルほど下った所に、疣水と呼ばれる湧き水がある。見た目はありふれた湧き水だが、昔、諸国を巡っていた弘法大師が秩父を訪れたとき、遊んでいる子どもたちの中に、手足や体じゅう疣だらけで元気のない子がいた。哀れに思った大師は杖を地に立てて水を湧かせ、そばに地蔵尊を祀り、この水で洗えば疣がきれいに取れると教えた。その子をはじめ、疣に悩んでいた土地の人々は大いに喜び、以後この水を疣水と呼ぶようになった。今も霊験のある水として伝えられている。
原典より
「姿の池」(秩父郡横瀬村)より約一○○米ほどくだったところに、「疣水」といわれる所があります。—— 秩父の伝説と方言 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秩父の伝説と方言
『秩父の伝説と方言』は、秩父市教育長鶴沢福松の序を付し、編集委員が執筆整理にあたって編んだ秩父地方の伝説と方言の集成である。秩父市と秩父郡に伝わる伝説を集め、武甲山麓のジジイ・ババア石、橋立鍾乳洞の悪龍、畠山重忠や坂上田村麻呂にまつわる話、伐ると祟る天狗松などを語り口調で記す。伝説は石・水・塚・屋敷跡・山と人物・地名・社寺および城跡・木に関する八つの部に分け、話によっては他地方の類話を注記する。