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高安の水を飲んだ危篤の男の生霊

所在地山形県東置賜郡高畠町大字高安
年代伝承(約六十年前)
登場高橋又左衛門、高安の老人
出典高畠町伝説集

どんな伝承か

今から六十年前のこと、入生田の高橋又左工門が病で危篤となり、遠近の親類縁者へ知らせが走った。その近親者が高畠の高安におり、その主人は老人で床に臥していた。喉が渇いて水を所望し、家人が運んだ水を一口飲んで枕元に置き、再び飲もうとすると一滴も残っていない。こぼした覚えもないのにと不思議に思い、また水を頼んだが、やはり無い。そうしたことが二度三度と重なった。真夜中に危篤の知らせを聞いて入生田へ行くと、危篤のはずの又左工門が、今高安へ行って会ってきた、枕元に水があったので飲んできた、実にうまかったと口走った。先ほどの出来事が思い合わされ、一同は顔色を変えて身震いしたという。又左工門は間もなく死んだ。

原典より

入生田の高橋又左工門さんが病気のため危篤なので、早速遠近の親類縁者に報されました。—— 高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

高畠町伝説集(山形県立高畠高等学校文芸班(編)・1957年(昭和32年))

『高畠町伝説集』は、山形県立高畠高等学校文芸班が熊木成夫教諭の指導で編み、昭和三十二年に高畠町伝説集刊行会から発行した伝説集である。高畠町とその周辺に伝わる社寺の縁起、人物、怪異、動物、地名の由来などを、古老からの聞き書きと古記録から採り、内容の多くは郷土研究家安部名平次の蒐集による。神仏・人物・怪異・動物・什物・地物・地名・地誌の八篇に分け、町長の序と校長・安部名平次・武田好吉の文、編者の後記を付す。

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