時政の江ノ島弁天願かけと政子誕生
どんな伝承か
横浜市南区井土ヶ谷上町の乗蓮寺の寺伝によれば、子に恵まれなかった北条時政は、江ノ島弁天に三十七日のあいだこもって願をかけた。満願の日、夢に女神が現れて、お前の前世は箱根の法師で、写経を諸国の霊地に納めた功徳でまた生まれてきた、子孫は国を治める身となって栄えよう、わが十五童子のうち衣装童子をお前の娘として生まれさせ、天下の政道を行わせる、と告げた。女神は白蛇に姿を変えて海へ飛び込み、その時に落ちた三枚の鱗を時政は持ち帰って家宝とした。その後、時政の妻が太陽を抱く夢を見て身ごもり、生まれたのが政子だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川の伝説(谷川平夫(文)/読売新聞社横浜支局 編・1967年(昭和42年))
『神奈川の伝説』は、読売新聞社横浜支局が一九六七年に編んだ神奈川県内の伝説集である。読売新聞神奈川県民版に昭和四十年九月から四十二年八月まで八十回連載された「神奈川の伝説」のうち六十五回分を収め、文は谷川平夫記者が書き、伝説の地を訪ねて住職や古老に聞いた話と現在の様子を添える。樹木・石・塚・水・坂や島・屋敷址・社寺・禁忌・地名の部に話を分け、大藤時彦の序文と巻末の解説・索引を付ける。