兎を神使とする調神社の七不思議
どんな伝承か
さいたま市浦和区岸町の調神社の氏子は、兎を飼うことも食べることもしない。食べれば神罰が当たるという。天保十年に平田篤胤が著した『調神社縁起』にも、この神は兎を愛でるとされ、氏子が兎を殺したり食べたりすれば必ず祟りがあると書かれている。兎はこの社の使いとされる。調神社には七不思議があり、鳥居がないこと、境内に松がないこと、御手洗の池に片目の魚がすむこと、使いが兎であること、日蓮上人が駒をつないだ欅、蠅がいないこと、蚊がいないことが挙げられている。
原典より
調神社の氏子は兎を飼わないし、食べることもしない。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。